伐採の方法② 注意点


前回の記事で紹介した道具を揃え、伐採に入る前に注意点をお伝えしておきます。

木の伐採は危険を伴う作業です。
伐採を生業にしている林業従事者でも年間20~40人もの方々が亡くなっています。
林業という仕事そのものが事故率の高い業種ですが、その中でも伐採の事故が過半数を占めます。

伐採作業の危険性は複数の要因があります。

まずチェンーを使用するということ。
非常に便利なチェンソーですが刃が高速回転する危険な道具です。
特に刃が回転と反対方向に跳ね返るキックバックでの負傷が多発しています。

次に不整地であること。
斜面や平坦でない地面の上で作業するため足を取られやすく滑落の危険もあります。
しっかりとした足場でないとチェンソー使用時のリスクも上がります。

3つめに木が重量物であること。
ピンと来ない方もいるかと思いますが木は重量物です。
時に10階建てのビルほどの高さになり、重量も数トンになる樹木を生身の人間が切り倒すと考えればその危険さのイメージできるかと思います。

4つ目は木が自然物であること。
当たり前ですが木は自然物であり1本1本大きさや形が異なります。
つまり画一的な伐採方法だけでは対応しきれず、個々に条件を見ながら手順を考える必要があります。

これらの条件をまとめると、伐採とはチェンソーという危険な道具を不安定な場所で使用し、数トンもの重量物を自身の経験則に基づいて切り倒す作業と言えます。
私も林業従事者であり、この危険さを身をもって知っているため自力での伐採をお勧めしてません。


それでもご自身で伐採を行う際は

ヘルメットと防護ズボン、安全靴などの装備を揃え、しっかりと着用してください。

キックバックの恐れがあるためチェンソーの先端はできる限り使用しないでください。

別記事で紹介する伐採の手順に沿って伐採してください。

もしも迷ったり悩んだりしたら勘や推測に頼らず手順を調べるか詳しい人に尋ねてください。

とにかく慎重に作業をしてください。


これら注意点を心に留めて作業に当たっていただければ、多少なりとも事故を減らせるかと思います。


🕐2024年08月08日  カテゴリー:作業解説 タグ:伐採