林業ってどんな仕事?
皆さんは林業と言われてどんな仕事をイメージしますか?
山で仕事をしている人たち、でしょうか。
私は初対面の方に仕事を尋ねられた時、「林業をやっています」ではなく「木こりです」と答えることが多いです。
いずれも具体的な仕事のイメージはつきにくいと思いますが「木こりと」答えたほうがなんとなく「木を切る仕事なんだな」とわかってもらえるようです。
そもそも林業は農林水産業として農業、漁業と一括りにされている第一次産業のひとつです。
第一次産業というのはざっくり言えば自然を相手取りなにかしらの素材を生産する業種といったところです。
なお、これを見ると猟師も第一次産業に当たる気がしますが詳しくはわかりません。
田んぼで稲を育てる農業、海へと船で乗り出して魚を獲る漁業、これら2業種と同じように山で木を育て、山に入って木を伐採し木材にするのが林業です。
つまり林業の本分は木材生産にあると言えるでしょう。
そう考えれば農業と大差なく、植物を育てて収穫し、それを売って利益を上げる産業ということになります。
しかし農業と林業は決定的に異なる部分があります。
それはかかる時間の長さです。
ほとんどが毎年、早ければ年に複数回収穫ができる農作物とは異なり、木は短くとも数十年に1回しか収穫できません。
ヒノキやスギを植えて木材として出荷するためには少なくても50年の月日がかかります。
クリやナラなどの広葉樹であれば80~100年かかるとも言われています。
近年、収穫が早いと注目を浴びているカラマツですら30~40年もの時間をかけて成長していきます。
仮に私の手で植えた木々があってもおそらく私自身の手で収穫はできないでしょう。
つまり林業とは先人達の手で植樹され、育てられてきた木々を私が伐採、収穫し、その山に私が植え、育てた木々を後生の人達が伐採、収穫するという他の業種には考えられないスケールのサイクルで動く産業なのです。
🕐2024年06月25日 カテゴリー:林業 タグ:林業